こんにちは! 自己紹介をお願いします
はじめまして、私はジュリアン、ガンプラ界ではGundam Odinson という名前で活動しています。フランス人のビルダーで、パリでグラフィックデザイナーとしても働いています。
ガンプラを知ったのは4年前、日本旅行から帰ってきた私の友人がMG RX-78-GP03Sのステイメンをプレゼントしてくれたのがきっかけです。その時私はガンプラというものを知らず、それを単なる「おもちゃ」だと思いながら組み立てました。とても不注意だったので部品もいくつか壊してしまいました…ですがその数ヵ月後、ふと思い立ちテレビでガンダムウィングを見たんです。ガンダムウィングは私が子供の時に好きで見ていましたが、改めて見て惚れなおしました。そして、おもちゃとしてではなくガンプラとして、初めて「キット」を購入したのです。FM 1/100 バルバトスルプスでした。
このバルバトスルプスは私が初めて塗装したキットでもありました。とはいえ完全にというわけではなく、エアファンやVフィンだけでしたが…。ですが、作業はとても楽しく、スプレー塗料を使ってきれいに仕上げることができました。私は初めてキットを触った時から、自分の作品はすべてカスタムしたいと思いました。私はクリエイティブで芸術気質な人間なので、ガンプラも自分のアートとして扱いたいと感じたのです。初めてフル塗装したキットはFM1/100ヴィダールでした。
私はもともと写真も好きなので、その趣味をガンプラにも役立てることができたのは好都合でした。
これまで手掛けた制作活動の中で、一番好きだったものについて教えてください
難しい質問ですね。私がプロジェクトを好きだと思う理由は様々です。あるときは私のアート欲を満たしてくれるから、あるときは新しい技術を学ぶことによってビルダーとして私を成長させてくれるから、といったように。もし選ぶとしたら2つあります。私がそれぞれ「ローニン・ダンタリオン」、「バイオショック・トリビュート」と名付けたHG 1/144 ダンタリオンとMG 1/100 のズゴックのカスタムです。
ダンタリオンは、たったの2週間という短い期間で作りました。とても楽しく、コンセプトを思い描いたときに沸いてきたアーティスト欲を完全に満たしてくれたので気に入っています。実際、完成した姿は私の期待以上でした。このプロジェクトを言い換えるなら、「早い」「楽しい」「満足」。まさにガンプラの真骨頂ですね。
ズゴックは私が何年も前に習得した多くの技術を、初めてキットに適用させて作った作品です。 エンジニアリング、キットバッシュ、ウェザリング、メッキ、ジオラマ…。このプロジェクトのオリジナルコンセプトは、私が好きなゲーム「バイオショック」に出てくる「ビッグダディ」です。2ヶ月の作業を経てコンセプトに忠実な形にすることができたので、とても気に入っています。一番すごかったのは、私の作品が、実際にバイオショックのこのキャラクターを考案したアーティストの目に留まり喜んでもらえたことです!あれは嬉しかった!
新しい制作を開始する工程について教えてください
グラントを作りたい、ガンダムを作りたい、プロトタイプスーツを作りたいなど…その時気分の「MSデザイン」によって次に何を作るか決めていて、具体的なプランがあるわけではありません。ただ、1つだけ「ルール」があります。それは同じキットを2度作らないということです。ただし、大好きなRX-78-GP03Sステイメンや依頼品の場合は例外です。突然カスタムのコンセプトがひらめいて、そのコンセプトに最も適したMSを選ぶ時もあります。例えばバイオショックのコンセプトの場合は、オリジナルデザインのズゴックが最も適したMSでした。
私はだいたいオンラインで発想のヒントを得ており、アートワークやコンセプトアートはPinterestを活用しています(メカやロボットのカテゴリー)。カラースキームに関しては、グラフィックデザイナーとしての経験が生きています。色の役割や組み合わせ方については私の得意分野です。その他の要素(スクライビング、デザイン設計、カスタム開発など)については直感と感覚を頼りにやっています。
SNSでフォローしている人はいますか?
Sonoda_PlaとKortoGunplaは私の親友であり、とても才能があるので選びました。この2人のアドバイスとサポートがなければ今の私はなかったでしょう。彼らの作品を見に行ってみてください。お勧めしますよ。
Kallamityはおそらく世界で最高のビルダーです。彼は本物のメカエンジニアでいくつかのモデルキットも自ら設計していますし、おそらくホビー界で知られるすべての技術を習得しているのではないでしょうか。いくつかは彼によって発明されたものですし…。ですが、私が彼の作品を好きなのは、私のメカの好みが「大きくて頑丈な戦争マシン」だからです。エクシアやガンダム00のように「派手でハイテクなライトスーツ」といった感じはあまり好きではありません。Kallamityが作るスーツはギアやテカリのあるエンジン、厚い装甲、油まみれの武器などがよく表現されており、まさに私のツボを押さえているのです。
次の制作予定(または現在進行中)は何ですか?
現在、MG 1/100 ガンダムストームブリンガーF.A.の依頼を受けて作成しています。クライアントはゲームHaloのマルチプレイヤーモードに出てくるスパルタンのキャラクターに敬意を表し、ダークグレー、アルミニウム、ブルーの3色を基調にした非常に特殊なカラースキームを希望しています。もう少しで完成ですが、私が撮ったWIP画像は腕の部分だけです。
次の制作で私はCerulean Projectに参加する予定です。Cerulean Projectは、メンタルヘルス支援のためにThe Salty Robotが設立したコミュニティです。このプロジェクトではMG 1/100シナンジュのOVA版を作ろうと思っています。今年のテーマカラーはオレンジなので作品名は「ナランジュ(Naranju)」です(ナランハ:Naranja がスペイン語で「オレンジ」の意味なんです ^^)。